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先日、FCの液水輸送に関する論文を読んで、その参考文献に面白そうなものがいくつかあったので読んでみた。

 

マドリード・カルロス3世大学のDr. Pablo Garcia-Salaberriの論文。
全然関係ないが、こんな名前の大学があるのかと少し驚いた。

巨視的連続体モデル(Macroscopic continuum models)と材料的な代表堆積(representative elementary volumes)を繋ぐための手法を、より正確に求める方法を提案している。

燃料電池に置いて、液水がGDLにおけるガスの拡散に及ぼす影響は、実効拡散Deff=Dbulk*ε/τで表現される。バルクの拡散係数Dbulkは空気中の酸素の拡散係数、実効拡散係数Deffはポーラスメディア中での酸素の拡散係数を指す。
ドライの拡散係数はf(ε)=ε^nd
湿潤状態の拡散はg(s)=(1-s)^nw
で表現される。

同じ平均saturationでも、局所的なsaturationの違いによって、実効拡散係数は異なってくるため、f(ε)やg(s)は、CT構造を元にLBM計算を実施し、サブドメインごとにsaturationとPorosity、拡散係数を取得している。
正規化して記述した拡散係数は、f(ε)、g(s)ともにべき乗則(Power law)でよく記述できている。
べき乗則の指数は、nd=2.5、nw=2.15の値で同定。

【所感】
丁寧に書かれていてわかりやすい。べき乗則の指数nの影響がセル電圧にどのように影響しているのかまで検討した文献もありそう。
今回はsaturationが拡散に及ぼす影響を見ているが、同様の事が透気度や熱伝導についても検討できるとのことなので、それも見てみたい(参考文献中[28]がそれっぽい)。GDLのCF繊維層モデルで実施しているが、たとえばこれが触媒層に適用できるのかなども興味がある。



気になった参考文献

■Effective diffusivity in partially-saturated carbon-fiber gas diffusion layers: Effect of through-plane saturation distribution


■Pore network modeling of fibrous gas diffusion layers for polymer electrolyte membrane fuel cells
→拡散だけでなく透気度まで検討している。ただ、べき乗則の指数nが大きすぎるとディスられていた。


■Oxygen transport resistance correlated to liquid water saturation in the gas diffusion layer of PEM fuel cells
→GDLとセパレータのランドとの接触面か、チャネル部かによって液水状態が違うことを可視化したもの。ビジュアルは面白い。