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 PEFCのGDLに対する液水輸送に関する論文。GDLの繊維構造を分析し、permeabilityとsaturation、capillary pressureの関係をローカルでなくグローバルで評価したところ、構造と液水輸送挙動を紐づける事を示したもの。ただ、従来の検討結果とは大きく異なるため、追加検証をすると締めている。

チューリッヒ応用科学大学で行われた研究で、Electrochimica Actaに掲載されている論文はマッシブで読みごたえがある。Introductionが非常に詳細に記述されており、液水輸送影響をマルチスケール計算で考慮する事の難しさが記述されている。今回はイントロに関してまとめる。


高電流密度ではGDLの液体飽和sが臨界まで上昇する可能性があるため、細孔空間でのガス輸送は液水
によって妨げられ、濃度分極が増加する。

繊維構造が流体に与える影響は、Tomadakis-Sotirchosモデルが適しているし、液体浸透に適用できる。
気液混相を考えたときには、液体の飽和度と分布により影響される相対透気度(intrinsic permeability)を考える必要がある。

毛管圧と細孔構造の関係(S − P c relationships)は、円柱状の細孔を前提としてヤングラプラス方程式で表現されるが、より詳細にはVan Genuchtenモデル、Brooks-Coreyモデルで表現され、式(12)のように相対透気度は飽和度とパラメータnによって記述される。

文献で報告されているべき乗則の近似指数パラメータは2~8の、非常に大きな変動がある。
Nadaらの研究によれば、式(12)におけるGDLのべき乗則の指数をn=3.5として算出している。

[1]Effect of liquid water on transport properties of the gas diffusion layer of polymer electrolyte membrane fuel cells
https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2011.01.146


【所感】
GDL内部の液水輸送において、メソ-マクロを繋ぐ物性値の導入は難しい課題であるし、結局はフィッティングパラメータになりがちななかで、CT構造から算出するボトムアップ的手法を構築している事は大変興味深い。
そもそも、[1]の参考文献がかなり高度なので、こちらを先に読んでみるべきなのかもしれない。


気になった参考文献
■Water transport in polymer electrolyte membrane fuel cells


■Effective diffusivity in partially-saturated carbon-fiber gas diffusion layers: Effect of local saturation and application to macroscopic continuum models