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膜の湿潤と、過剰な水の削減の適切なバランスは、PEFCの課題である。
LG Chem, Ltd.は、2 July 2019.に公開されたRenewable Energyで興味深い塗布方法のMPLを提案している。




Fig. 1. A schematic diagram of fabrication of P-GDL and its surface digital images with different pattern width of 5, 1, and 0.5 mm.
に示されているような0.5mm間隔で縞状に2種類のMPLを塗布するパターン化ガス拡散層(P-GDL)をインクジェット印刷によって製造したところ、水管理能力が向上したという。

図2にはSEM像も示されており、
・MWCNT:繊維にカーボン粒子が吸着している
・Vulcan:通常のカーボン粒子群
それぞれの水の接触角は154°/149°でわずかではあるが差がある。

70℃、50%RH、1.2A/cm2において、通常品よりもP-GDLは50mV程電圧が向上している。
カーボンとバインダーで構成されたメソ構造モデルを用いて、形態計算による液水の圧入計算を実施したところ、MWCNTパターンに水が蓄積されたあと、CVパターンに充填されることが可視化できた。


【所感】
凄く高度な論文だった。もっといろんな人に読まれて良い論文だと思う。
50%RHおよび30%RH(相対湿度)で評価しているが、実際のPEFCの動作環境より湿度低くないか?と思った。もっと液水量の多い条件下で同様の効果が得られるのか気になる。
MPLの機能の説明がしっかりされているのも素晴らしい。
・高湿度下でフラディングを回避
・ガス透過性の確保
・低湿度下で膜の加湿を保つ
・GDLとCLの接触抵抗の低減
・膜をGDLの炭素繊維による物理的損傷から保護
おそらく研究室レベルの実験だからだと思うが、焼成時間が2時間以上というのも気になった。
当然コストも上がるだろう。これを実製品で使うにはかなりの根性が必要だろうと思う。


気になった参考文献

■GDLの構造の解析(中国同済大学)



■CNTを含むMPL層(九大)




■穴の分布に傾斜をつける(武漢工科大学、少し古い)



■レーザで穴あけ(ペンシルベニア州立大学)