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Ex-situ visualization of the wet domain in the microporous layer in a polymer electrolyte fuel cell by X-ray computed tomography under water vapor supply

 

Electrochemistry Communicationsはオープンアクセスの論文で本文が全て読めるのが魅力的。
今回は、燃料電池の液水の可視化にトライした豊田中央研究所の論文を読んでみた。

MIRAIなどの燃料電池車に用いられる燃料電池スタックは、370枚のセルで構成される[1]。これらセルは電解質と電極からなり、電極は触媒層、撥水層、ガス拡散層(GDL)からなる[2]。今回は撥水層について。撥水層(MPL)は、膜を適度に湿潤させる役割を持つ。また、ORR反応により発生した水蒸気がGDL内で凝縮して液体となり、その液水を流路に押し出す役目をする。

この論文をざっくり言うと、シンクロトロンX線CT(Spring8)を利用し、MPL内の水を可視化した、というもの。

MPL側から水蒸気を投入(液水は100kPa以上の高圧でないと入らないため)し、6,12,18,24分後にCT像を撮影、ドライの撮像をもとに2値化(手動で閾値を決めたとある)。ドライとウェット画像の差分から、ウェットドメインの体積分率をGeodictで確認すると不均一に分布する液水が可視化できた。

※オペランドX線で動作中のFCの平均飽和度を見た過去の研究では、飽和度は0~50%の範囲という事しか分からず分布は不明。


【所感】
液水とGDL基材の輝度が同じようなものなので、CT像の二値化にノウハウがありそう。
不均一にみられる分布は、PTFE(撥水材)の分布によるものと思われ、均一な濡れ性を前提とする数値計算との誤差がここで生じる可能性もある。


[1] トヨタの燃料電池車MIRAIにゴアの技術を採用 https://www.gore.co.jp/news-events/fuel-cell/toyota-mirai
[2] NEDO 燃料電池の現状と課題 https://www.nedo.go.jp/content/100888577.pdf


以下、Referencesで面白そうなもの